By Meritxell|December 13, 2021

「編集委員に聞く|Sports 誌」鈴木克彦先生|早稲田大学

MDPI日本支社では、研究者の皆様にMDPIでの活動内容や経験についてインタビューを行い、論文の査読や編集もご経験されている先生方の生の声をお届けすることで、研究者の皆様のお役に立てればと願っております。

第3回目は、Sports誌の編集委員 (Editorial Board Member) をご担当いただいております、鈴木克彦先生 (早稲田大学)にお話をお伺いしました。

鈴木 克彦 (すずき かつひこ)先生 | 早稲田大学

鈴木克彦先生は、弘前大学医学部をご卒業後博士号 (医学)を取得され、現在は早稲田大学スポーツ科学学術院 教授、スポーツ医科学クリニック 医師、保健センター 管理委員・内科医師をご兼任されています。ご専門は、運動免疫学、応用生理学、補完代替医療科学で、国際運動免疫学会 (ISEI)、日本補完代替医療学会、日本体力医学会など、複数の学会で理事や評議員、編集員としてご活躍されています。

MDPIでは、Sports誌の編集委員やAntioxidants誌 (IF:6.312) やNutrients誌 (IF: 5.717) のゲストエディター、また複数のジャーナルの編集者として、ジャーナルの運営にご尽力いただいております。さらに著者としても多数の論文をご投稿いただいており、その中の一稿をMDPI日本支社のFacebookでご紹介させていただきましたところ非常に多くの閲覧数があり、ご研究内容の注目度の高さがうかがえます。

現在、鈴木先生にゲストエディターをご担当いただいております特集号はこちらです。

特集号:Dietary Interventions on Sports Metabolism and Immunology

ゲストエディター:Prof. Dr. Jorge Pérez-Gómez (The University of Extremadura), Dr. Hadi Nobari (University of Isfahan), Dr. Jason Cholewa (University of Lynchburg), Prof. Dr. Katsuhiko Suzuki (Waseda University)

MDPIのジャーナルに初めてご投稿されたきっかけは何ですか?また、MDPIに投稿される利点は何だと思いますか?

研究室の留学生が博士課程在籍時に、Nutrients誌に投稿したいと申し出があったのが初めて投稿したきっかけです。学生にとって、速く論文が公開されることは、学位の取得や就職の際に有利になると考えます。その論文のアクセス数が多かったことから、オープンアクセスジャーナルの魅力を感じました。また、MDPIは論文のひな型がどの雑誌でもほとんど共通のため、MDPIの別ジャーナルへの再投稿がしやすいことも、利点の一つだと考えます。

ReviewerやEditorとしてのMDPIの印象はいかがですか?

MDPIからの査読依頼は、私の専門分野と一致している論文が多い印象があります。査読期間が限られていることはストレスに感じることもありますが、著者としては査読期間が短いことに恩恵を受けているため、時間が取れない場合は断ったり、自分の興味のある論文の査読を受け入れたりするなど調整をして可能な範囲で協力しています。

ゲストエディターとして初めて企画したAntioxidants誌の特集号では、ジャーナルの編集部とも良いコミュニケーションがとれ、最終的に10本の論文が公開されました。その後、2本目の特集号を企画することになりましたが、その時期にAntioxidants誌に初めてインパクトファクターが付与されたため、研究者に投稿をより呼びかけやすくなったと感じています。現在、3本目の特集号も原稿募集を行っております。

特集号:Anti-inflammatory and Antioxidant Effects of Exercise and Training with the Mechanisms and Modulations

ゲストエディター:Prof. Dr. Katsuhiko Suzuki (Waseda University), Dr. Llion Roberts (Griffith University)

編集委員を務めているSports誌も、インパクトファクターがつき、日本人著者からの投稿数が増えることを期待しています。またEditorには掲載無料で依頼原稿が来ることがあり、私自身もコロナ禍において免疫機能や運動習慣の重要性を提言する機会をいただいてよい経験をしました。

MDPIに今後期待することは何ですか?

研究者を目指す学生や若手などに対し、例えば論文掲載料の割引など、執筆や出版に関するサポートを充実してほしいと思います。

今回のインタビューでは、論文の編集や査読、ご執筆経験が豊富な鈴木先生より幅広いお話をお伺いすることができました。貴重なお時間をいただきまして、本当にありがとうございました。

MDPI日本支社では、研究者の皆様からいただいたご意見を参考に、弊社の出版やサービスを研究者の皆様によりご利用いただけるように努めるとともに、オープンアクセスモデルを通じて日本の学術コミュニティのさらなる発展に貢献できるよう、引き続き活動していきたいと考えます。