「編集委員に聞く|Plants 誌」梅原三貴久先生|東洋大学

MDPI日本支社では、弊社ジャーナルの編集委員の先生方にインタビューを行っております。論文の査読や採択に携わっている先生方の生の声をお届けすることで、研究者の皆様にとって何らかのヒントになることを願っております。

第5回目は、Plants誌のPlant Physiology and Metabolismセクションの編集委員(Editorial Board Member/Section Board Member/Collection Editor)、梅原三貴久先生(東洋大学)にお話をお伺いしました。

梅原 三貴久 (うめはら みきひさ)先生

東洋大学

筑波大学大学院博士課程生物科学研究科(今は再編で名称が変更されました)で、故・鎌田博先生のご指導のもと、遺伝子実験センターで研究を行い、2004年3月に博士(理学)を取得しました。2007年3月までは福岡県農業総合試験場バイオテクノロジー部で任期付研究員としてネギの育種に関する研究に従事していました。2011年3月まで理化学研究所植物科学研究センターの基礎科学特別研究員、促進制御研究チームの研究員として植物ホルモンのストリゴラクトンに関する研究を行っていました。その後、2011年4月に東洋大学生命科学部に着任しました。

先生のご専門分野を教えてください。

専門は植物生理学と植物バイオテクノロジーです。大学院生の時は組織培養系を使って胚発生制御物質の探索を行っていました。福岡県農業総合試験場では種間交雑と胚救出を使ったネギの育種を行っていました。理化学研究所ではネギの葉の機能解析や植物ホルモンのストリゴラクトンについて研究を行いました。2008年には枝分かれ抑制ホルモンがストリゴラクトンであることを発見しました。現職の東洋大学では、ストリゴラクトンの生理作用に関する研究、植物の再生メカニズムに関する研究を行っています。

先生がその分野に進むに至った理由や背景を教えてください。

学生の時、カエルの解剖で腹が開いたカエルが逃げたことで動物を使った実験が苦手になりました。また乱視が強くて顕微鏡が苦手なため、微生物の観察も苦手でした。消去法で植物の学問分野に進むことになりましたが、植物生理学の講義を受講して微量で植物のかたちをコントロールする植物ホルモンの機能に惹かれて研究しています(途中別の研究もしましたが)。

現在取り組んでいる課題や、これから取り組みたい課題について教えてください。

新しい植物ホルモンを見つけること。簡単に植物を再生させるシステムを構築すること。

先生のご研究人生の中で、一番の思い出を教えてください。

今までなかなか見つからなかった枝分かれ抑制ホルモンが、ストリゴラクトンと結びついた瞬間。その他でも、自分一人ではどうにもならない時、いろいろな人たちとの出会いを通じて新しいアイデアが生まれたり、共同研究で研究が一気に進んだりするとエキサイトしますね。

先生のご専門分野で、注目されている研究者がいらっしゃいましたら、その方の研究内容などを含めて教えてください。

神谷勇治先生:植物の生長をコントロールするジベレリンの生合成経路に関する研究がご専門で、国内外の数多くの研究者と交友関係をお持ちです。研究に対してはとても厳しい先生ですが、いつも励ましや暖かい助言をくださる私の師匠の一人です。現在は理化学研究所の名誉研究員で、日本学士院賞受賞者です。

山口信次郎先生:ジベレリンやストリゴラクトンの生合成、代謝、情報伝達に関する研究がご専門で、ストリゴラクトンの研究を行っていた時のチームリーダーでした。研究計画が緻密で隙がない印象です。理研在籍時、夜遅くまで研究について議論させていただいたことは、私にとってとても貴重な経験です。現在は京都大学化学研究所におられます。

お二人の先生がいらっしゃらなかったら、今の私はないと思っています。

先生のご専門分野の若手研究者の方々に向けて、伝えたいメッセージがございましたらお聞かせください。

自分が面白いと思って興味を持ったことは、トコトン突き詰めて調べてみることです。行き詰まっても決して諦めないことです。どうしてもうまくいかない時は発想を変えてみましょう。突然ブレイクスルーが起こるかもしれません。

最後にオープンアクセス出版についての印象をお聞かせください。

数多くの人が無料で自由にアクセスできるので、素早く情報を入手することができてとても良いと思います。現在では、科研費でもオープンアクセスで論文を公表することが推奨されています。今後、オープンアクセスが標準になっていくのではないかと思います。ただ、著者側の負担は大きいですね。

梅原先生から読者へのコメント

PlantsというジャーナルのPlant Physiology and MetabolismセクションのEditorを担当しております。現在、Topical CollectionsのFeature Papers in Plant Physiology and Metabolismで論文を募集しております。Special Issueとは異なり、締め切りがないので、ぜひ投稿をお願いいたします。ご興味があれば梅原までメールでご連絡ください。よろしくお願いいたします。


ジャーナルのご紹介

Plants (ISSN 2223-7747)

創刊年:2012年

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