効果的なグラフィカルアブストラクト(GA)とは

グラフィカルアブストラクト(GA)を作成する際に考慮すべき点

近年では、学術論文を出版する際のグラフィカルアブストラクト(GA)の活用が注目を集めています。GAで論文を視覚的に表現することで、読者の目を引くだけでなく一目で論文の概要を紹介することができます。今回は、経験豊富なMDPI編集者からのGA作成についてのアドバイスとMDPIのGA規定をご紹介します。

規定の解像度とファイル形式を選択する

GAの周りに余白を入れると、あまりよい印象を与えません。だからといって、サイズをあわせるために画像を水平方向や垂直方向に引き伸ばすと画質が悪くなるので、サイズに合ったGAを作成することが基本です。MDPIのウェブサイトに掲載されるGAは縦横比28:55で最小サイズは560×1100ピクセル、最大サイズは2800×5500ピクセルです。

MDPIではJPEG、PNG、TIFF、SVG形式のファイルタイプのGAを受け付けています。他社が出版するジャーナルへ投稿される際は、事前に規定を確認しましょう。

テキストは最小限に、適切なフォントを使用する

GAは、論文内容を視覚的に要約したものであるべきです。そのため、文章や箇条書きは補足的な説明でない限り、避けたほうがよいでしょう。もう一点気をつけたいのは、GAに使用するテキストのフォントです。フォントは、Times New Roman、Arial、Calibriなどが明確で読みやすいのでおすすめです。文字数が多すぎるものや不明瞭なフォントが使用されたGAは、出版前に再編集を求められることがありますのでご注意ください。

構成を定めて、シンプルに、明確に

GAを作成し始める前に、図表のコンテンツだけでなく全体のレイアウトの計画も立てておきましょう。GA作成時によくあるのは、載せたいコンテンツが載りきらずに画像が重なってしまったり、必要なテキストや数字を排除してしまうことです。こういった場合にも、やはり出版前に再編集を求められることがあります。

重複および二次利用・改変を避ける

GAは論文の要約ですからオリジナルのものを作成しましょう。論文内の図をそのまま使用したり、他の文献で使用されている図をそのまま利用すべきではありません。特に他の文献で使用されている図を改変する際には、注意が必要です。他の論文の図を改変する際には、著作権順守の義務が発生します。場合によっては、二次利用に関する権利を取得したことを証明する書面の提出が必要となりますので、事前に確認しておきましょう。

以上、GAを作成する際のヒントをお伝えしました。論文内容と同じく、明確で目を引くようなGAの作成ができますように。

本記事はMDPIの英語ブログ『Maximising the Impact of Your Graphical Abstracts』を参考に作成したものです。元記事はこちら

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