コンマ(,)とセミコロン(;) Posted on November 21, 2023 コンマ(,)とセミコロン(;)は、英語論文執筆時によく使われる句読点のひとつです。同じような意味合いで使われることも多いコンマとセミコロンですが、今回の記事ではこれらの基本的な違いについてご紹介します。 独立節と従属節とは コンマとセミコロンの違いを明らかにする前に、まず、独立節と従属節についてお話しする必要があります。独立節とは、主語と動詞があり、完全なアイデアを表現している文を指します。例えば、“The moon revolves around the Earth.”「月は地球の周りを回っている。」ここでは、主語は”moon”で、動詞は “revolves”です。従属節とは、主語と動詞を持っていても完全なアイデアを持っていないもののことをいいます。例えば“When I studied for my quiz.”「クイズのための勉強したとき」この文は主語”I”と動詞”studied”を持ちますが、この文が意味をなすためには他に何かを追加しなければならず、完全なアイデアを持っているとはいえません。このようなものを従属節といいます。 コンマと独立節 独立節と独立節を接続詞(and、but、or、for、norなど)でつなぐ場合は、コンマを使って文を区切ります。例えば、〇 “I finished painting a work of art, but they are having trouble selling it.“「私は作品を描き終えたが、それを売るのに苦労している。」しかし、下記のような場合は「and」が独立節同士を接続しているわけではないのでコンマは不要です。〇 “I finished painting the wall and the ceiling.”「私は壁と天井を塗り終えた」 セミコロンと独立節 2つの文が同じことを論じていて、ひとつのアイデアの続きであるような場合、セミコロンでつなげることができます。下記の2つの文を見てください。“I went to the mall. I ate lunch at the food court.”「私はショッピングモールに行った。フードコートで昼食を食べた。」これらはどちらも独立節ですが、どちらもモールに行ったことについて述べているので、セミコロンでつなぐことができます。もちろんピリオドで区切ったままでも誤用ではありませんが、下記のようにした方がわかりやすいです。〇 “I went to the mall; I ate lunch at the food court.”「私はショッピングモールへ行ってフードコートで昼食を食べた。」ここでコンマを使わないのは、両方の文(”I went to the mall “と “I ate lunch at the food court”)が独立節であるからです。例えば、 “I went to the mall, I ate lunch at the food court”のように、独立節同士を接続詞なしでコンマでつなぐことは「コンマ・スプライス」といって誤用になります。セミコロンについてもう一点重要なことは、セミコロンと接続詞は一緒に使えないということです。例えば、 “I went to the mall; and I ate lunch at the food court.” 〇 “I went to the mall, and I ate lunch at the food court.” コンマとセミコロンと接続副詞 接続副詞(however, moreover, accordingly, thereforeなど)で二つの文を接続するときは、接続副詞の前にはセミコロンを、後ろにはコンマを付けます。〇 “I worked overtime; however, the task is not finished.”「残業したけれども仕事は終わっていない。」下記のような使い方は誤用です。 “I worked overtime however, the task is not finished.” “I worked overtime however the task is not finished.” セミコロンとリスト表示 セミコロンはリスト化するときにもよく使われます。特に「複雑なリスト」を表現するときにとても便利です。「複雑なリスト」とは、リストの項目にいくつかの情報が与えられていて、コンマを使うと混乱してしまうような場合です。例えば、“We went to many places along the way, including Canada, the USA, Paris, France, and the capital of the country.”この文では、”Paris”と”France”、そして “the capital of the country”の3つが別の場所にあるかのように見えてしまい、誤解を招く危険性があります。次のようにセミコロンを使うと、“We went to many places along the way, including Canada; the USA; Paris, France, the capital of the country.”“フランスの首都パリ”の意味が明確になります。 以上がコンマとセミコロンの基本的な使い方の違いです。実際にはもう少しルールがあったり、どちらを使用してもいい場合などがあり、全てを理解することは難しく時間もかかってしまいます。そんな時にはプロに依頼するのもいい方法です。MDPIではネイティブによる英文校正サービスを行っています。最短1営業日以内で校正を完了するサービスや、研究分野のエキスパートによる校正サービスも行っております。無料お見積もりや詳細はこちらからご覧いただけます。MDPIジャーナル以外にご投稿予定の原稿も承っておりますので、ぜひご活用ください。 本記事はMDPIの英語ブログ『Commas vs. Semicolons』を元に作成したものです。元記事はこちら。 その他「学術サポート」に関する記事はこちら。 Posted in 学術サポート and tagged international, MDPI, MDPI Japan, open acces, オープンアクセス, 英語論文, 論文執筆, 論文書き方.